- インターネット回線は引越しの際に乗り換えたほうがオトクなのか?
- 乗り換えの手続きは、どのように進めればよいのか?
- 乗り換えたら通信速度や料金はどうなるのだろうか?
上記のように考えている人は多いでしょう。引っ越しするにあたって、インターネット回線の乗り換えで失敗するケースは少なくありません。
オトクな契約に乗り換えるチャンスを逃したり、あるいは手続き順序を間違えてネットが使えなくなったり、とにかく後悔しがちです。
そこで本記事では以下の点を解説します。
- 引越し時にインターネット回線を乗り換えるメリット・デメリット
- 引越し時のともなうインターネット回線の基本的な手続き
本記事を読めば引越しにあたり、今までよりも快適な環境でインターネットが使えるようになるはずです。ぜひご参考にしてください。
目次
引越し時にインターネット回線を乗り換えるメリット
引越し時にインターネット回線を乗り換えるメリットは、大きく分けて3つあります。
- 速度が劇的に向上する可能性がある
- 新しい割引プランが適用される基本的には料金が安くなる
- 電話などが利用できるようになる
特に通信速度が向上し、料金が安くなりやすい点は、誰にとっても興味深いでしょう。それぞれについて解説するのでご参考にしてください。
通信速度が劇的に向上する可能性がある
引越し時にインターネット回線を乗り換えれば、通信速度が劇的に改善するかもしれません。新しい回線とプロバイダを利用することになるからです。
新規に契約したほうが回線やモデムは進化している可能性が高く、よって通信速度にもよい影響が期待できるでしょう。
ただし通信速度がどの程度確保できるのか、回線やプロバイダ、あるいは地域の環境などで左右されます。したがって契約先はじっくりと比較検討する必要がありそうです。
基本的には料金が安くなる
引越し時にインターネット回線を乗り換えれば、基本的に料金は安くなるでしょう。乗り換えを希望するユーザーに対する割引やキャンペーンが利用できるからです。
その内容は契約先でさまざまですが、たとえば以下のような優遇が期待できます。
- 料金プランの長期的な割引
- 旧回線・プロバイダに対する違約金や工事費の肩代わり
- 各社で使えるポイントの配布
これらを活用すれば、基本的に現在よりも料金は安くなるでしょう。ただし常設されているわけではないため、事前に確認しておく必要はあります。
電話などが利用できるようになる
ひかり回線に乗り換えた場合は、インターネット回線を利用した電話が使えるようになります。これも大きなメリットとなるでしょう。
インターネット回線の多くは以下のような利点を持っています。
- 同じ会社同士間で通話する場合、料金が発生しない
- 発生したとしても、通常の電話と比較して料金が安い
- 契約するとインターネット回線の料金自体が割引される
人によっては通話料まで安くできるため、より大きなメリットとして感じられるでしょう。
ただしインターネット回線を利用した電話は通話音声が不安定だったり、利用者の少なさから無料通話の機会が限定されたりするデメリットがあるかもしれません。事前に各社の評判などを知っておく必要があります。
とはいえ、最低限家族間での通話が無料になる程度のメリットは約束されています。家族で電話する機会が多い家庭では強力なメリットとなるでしょう。
引越し時にインターネット回線を乗り換えるデメリット
引越し時にインターネット回線を乗り換えることには、やはりデメリットもあります。特に以下3点は理解しておきましょう。
- 乗り換えの手続きが面倒
- 違約金が発生するかもしれない
- 未払い工事費の一括請求が考えられる
手間と時間、場合によってはお金までかかるのがインターネット回線の乗り換えです。それぞれのデメリットとできうる対策を解説するのでご参考にしてください。
乗り換えの手続きが面倒
引越し時にインターネット回線を乗り換える場合、とにかく手続きが面倒です。たとえば、以下のようなステップを踏まなければいけません。
- 旧回線・プロバイダを解約する
- 工事に立ち会う
- 新しい契約先を探し、開通できるか確認する
- 各種書類に署名捺印して送付する
- 開通日の日程調整をするetc.
これを荷物の運び出しや引越し業者手配、市役所での転入手続きなどと同時に実施しなければいけません。そう考えるといかに乗り換えの手続きが邪魔になるかイメージしやすいでしょう。
もし新しい回線やプロバイダに魅力を感じないなら、無理に乗り換えないのもひとつです。
ただし移転する際も無料というわけにはいかず、後ほど解説するように2,000円程度の移転費用が発生するかもしれません。それでも、乗り換えよりは安く済みます。
違約金が発生するかもしれない
契約状況や期間にもよりますが、違約金が発生するケースもあります。これは乗り換えを考える際に大きなネックとなるでしょう。
ほとんどのインターネット回線は、2年から3年程度の契約期間を設けています。この契約期間内に引越して乗り換え、つまり解約するなら違約金が発生する仕組みです。
違約金の金額は業者ごとで異なりますが、最低でも10,000円はかかると見越しましょう。中には30,000円ほどかかるケースもあり、家計の大きな負担になりえます。
なお違約金が発生しないのは、契約更新月のみです。契約満了直前に、「契約を更新するか解約するか判断できる月」というのが設定されているので、確認してみましょう。
もし引越しのタイミングと契約更新月が一致しているなら、違約金に関して心配する必要はありません。
未払い工事費の一括請求が考えられる
契約先やタイミングによっては、未払い工事費の一括での請求が考えられます。
たいていの契約先は、インターネット回線を開通させるにあたり数万円の工事費を設定しています。
ただし工事費は開通時にまとめて請求するのではなく、月々の利用料金に対して均等に割り振るのが一般的です。要するに、スマートフォンの機種代金と似たような扱いになります。
しかし引越しと乗り換えにあたって解約するなら、そもそも月々の利用料金自体が発生しません。その場合、本来分割で請求されるはずだった工事費が一解約時に一括請求されるわけです。タイミング次第では数万円ほど請求されることもあるでしょう。
【補足】インターネット回線を引越し時に移設するメリットとデメリット
現在使用しているインターネット回線を、引越し先でも使い続けることを「移設」と呼びます。場合によっては無理に乗り換えず、移設したほうがよいかもしれません。
メリットとデメリットをそれぞれ解説するのでご参考にしてください。
メリット1.手続きが楽
インターネット回線を移設するメリットとして、乗り換えと比較して手続きが楽な点が挙げられます。基本的には契約先に連絡して、「引越しにあたって移設したい」と伝え、指示に従えば問題ありません。
立ち会いに出たり、多少書類を書いたりする必要はありますが、「解約」というステップがないぶん手続きは楽になるでしょう。
メリット2.引き続き同じ回線を利用できる
移設すれば、当然ながら引き続き同じインターネット回線を利用できます。
仮に現状の通信速度や料金に満足しているなら、これは大きなメリットです。
ただしよく探せば、現状よりもすぐれたサービスを提供する回線やプロバイダがあるかもしれません。事前に確認しておくとよいでしょう。
デメリット:移設費用として2,000円〜10,000円かかる
インターネットを移設する際のデメリットは、移設費用が発生する点です。
この費用には各社でばらつきがあり、安ければ2,000円で済みます。一方で10,000円近い費用が発生するケースも少なくありません。
移設を検討している場合、その費用がいくらなのか確認して、金額次第では乗り換えを検討するのがよいでしょう。
引越し時にインターネット回線を乗り換える場合の手続き
引越し時にインターネット回線を乗り換えるには、やや複雑な手続きをクリアしなければいけません。おおむね以下の6ステップを見込んでおきましょう。
注意したいのは2.で、解約よりも先に新規契約を済ませておいたほうが後々便利です。
それぞれのステップを解説するのでご参考にしてください。
1.既存の回線・プロバイダを解約しても問題ないか確認する
まずは既存の回線とプロバイダを解約しても問題がないか確認しましょう。先ほども触れたとおり、契約を途中終了するとなると、違約金や工事費の一括請求が発生するかもしれません。
サービスサイトを見るか電話をかけるなどして、今解約するといくらかかるのか確認しましょう。
もし費用が発生するなら、新しい回線・プロバイダは「違約金や工事費を負担するキャンペーン」を実施しているところから探すのがおすすめです。
2.乗り換え先に新規利用を申し込む
続いて、乗り換え先に新規利用を申し込みましょう。
基本的には公式サイトに申し込みフォームが用意されているはずです。問い合わせたいことがあるなら、コールセンターに電話してもかまいません。
解約よりも先に新規プロバイダの利用を申し込むのは、一時的にインターネットが使えない状態を避けるためです。つまり「新しい回線が開通しだい、旧契約先の回線を停止する」というステップで、常にインターネットを使えるようにします。
ただし「一時的にインターネットが使えなくても困らない」なら、手順を逆にしても問題ありません。また「そうしなければ、翌月分の利用料金が発生する」といった場合も、解約を優先する必要があります。
3.開通可能かどうかの判断を待つ
続いて、新しい住所で開通ができるのか、乗り換え先の判断を待ちましょう。ほとんどの場合は開通できますが、形式上必要なステップです。
なお工事不要で済むことはほとんどなく、基本的には開通工事が必要となります。
4.必要書類を乗り換え先に送付する
開通が可能だと判断されれば、乗り換え先に必要書類を提出する必要があります。多くの場合は書類が送付されるので、署名捺印して返送しましょう。
最近ではWeb上の入力だけで、契約に必要な情報を提出できるケースもあります。もしその準備があるなら、手間がかからないのでそちらを優先して利用しましょう。
5.乗り換え先による開通工事を実施する
必要書類を送付して契約が完了したら、新規乗り換え先の開通工事に入ります。
これは以下のステップで進められると考えましょう。
- 乗り換え先から希望の工事日程について問い合わせが入る
- 工事日程を決定する
- 工事当日、本人が立ち会い、完了を待つ
要するに日程を決めて、当日自宅にいれば何の問題もありません。
ただし日程に関しては他の希望者の日程との兼ね合いもあり、ただちには工事が実施できないケースもあります。インターネット回線をただちに利用できるように、工事の予定日は早めに決めておきましょう。
6.既存の回線とプロバイダを解約する
この段階で、新住所にて新しいインターネット回線を開通できる日程まで決まっているはずです。最後に既存の回線とプロバイダの解約手続きを進めましょう。
この手続きは、サービスサイトもしくはサポートセンターへの問い合わせからスタートできます。
ただ、サービスサイトではたいてい解約手続きのセクションがわかりづらい場所に設置されているでしょう。したがって直接電話して解約を申し出るのがおすすめです。そこから先の手続きは各社によって異なりますが、基本的には以下のステップで完了できます。
- 撤去工事の日程を決める
- 工事当日、立ち会いに出る
- 撤去に関する書類を確認し、サインする
面倒なのが、立ち会いが必要な点です。日程調整を間違えると「入居日以降が立ち会い日になる」といった不都合も出てきます。引越しが完了する前に立ち会えるように調整しましょう。
インターネット回線の乗り換えに関するQ&A
本記事ではインターネット回線の乗り換えのメリット・デメリット、および手続きに関して解説しました。最後に細かい疑問に関してQ&Aの形式で解説します。
- インターネット回線の乗り換えに立ち会いは必要か?
- 利用を申し込んでから何日で使えるようになる?
- 撤去費用にお金はかかるのか?
- 引っ越ししたあとでインターネットをすぐに使いたいならどうすればよい?
- 新しいインターネット回線の選び方は?
インターネット回線の乗り換えに立ち会いは必要か?
インターネット回線の乗り換えでは、基本的に工事の立ち会いが必要です。「立ち会うのが面倒」と考える人もいるでしょうが、こればかりはほぼ避けようがありません。
ただし、立ち会いに出る人間は契約者ではなく代理人とすることも可能です。
利用を申し込んでから何日で使えるようになる?
インターネット回線の利用を申し込んでから開通するまでは、1〜2ヶ月ほどかかると考えましょう。繁忙期には3ヶ月以上かかるケースもあります。
つまり引越した直後からインターネット回線を使いたいなら、引越しの作業が本格化する前段階から申し込みや手続きが必要となるわけです。できるだけ早い段階で新しい契約先を見つけて、話を進めておきましょう。
撤去費用にお金はかかるのか?
撤去費用は多くの場合で発生しません。よほど特殊なケースでない限り無料で撤去されます。
ただしインターネット回線を移設する、つまり契約はそのままで引越し先に移動させる場合は移設費用として2,000円〜10,000円ほどかかるかもしれません。
移設費用が気になるなら、手続きは面倒になるものの、新しいプロバイダを探すのもひとつです。
引っ越ししたあとでインターネットをすぐに使いたいならどうすればよい?
引越ししたあとでインターネットをすぐに使いたいなら、できるだけ早い段階で申し込みと契約手続きを済ませることです。
先ほども触れたとおり、インターネット回線は申し込んでから開通するまで平均して1〜2ヶ月かかります。それを見越したタイミングで契約すれば、引っ越してからすぐにインターネットを利用できるでしょう。
しかし、「もうすでに引越しまで1ヶ月を切っている」というケースもあるはずです。だとすると開通が間に合わない可能性は高いでしょう。
こういった場合では、ポケットWi-Fiのレンタルなどで開通日までつなぐなどの工夫が考えられます。
レンタルは、1日数百円程度で利用可能です。ポケットWi-Fiなので据え置き型ルーターと比較すれば通信速度はさほどでもありませんが、一時しのぎとしてはじゅうぶんです。
新しいインターネット回線の選び方は?
新しいインターネット回線を選ぶ際のポイントは、大きく分けて3つあります。
- 利用料金がいくらか?
- 現在よりも速い通信速度を確保できるか?
- スマートフォンに対するセット割が適用できるか?
もっとも重要なのは1と2、つまり利用料金と通信速度です。
利用料金に関しては、契約先とエリア、そして契約時期(キャンペーンなどの有無)によって左右されます。各社のサービスサイトや資料を見比べて、もっともリーズナブルな契約先を見出しましょう。
とはいえ、「安ければよい」というわけでもなく、やはり通信速度も重要です。乗り換えならば、最低限「現在よりもすぐれた速度を確保できるか」という水準はクリアしましょう。
現状の通信速度に慣れているなら、新しい環境で遅くなったとき強烈なストレスを感じます。そうなると、また新しい契約先を探すなどの手間が発生するかもしれません。
したがって、最低限、現在よりもすぐれた速度を確保できるようにしましょう。
また、持っているスマートフォンに対してセット割が適用できるかどうかもポイントです。たとえばauユーザーであれば、auひかりと契約すれば、月額料金が550円〜1,100円ほど安くなります。
というように利用料金と通信速度、セット割りの3点を意識するのが基本的な選び方です。これだけ理解しておけば、少なくとも大きく後悔するケースは避けられます。
まとめ
本記事では引越し時のインターネット回線の乗り換えに関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしておきましょう。
- 引越し時にインターネットを乗り換えれば、通信速度が大きく向上するかもしれない
- 基本的には料金も安くなり、インターネット回線を使った電話も使えるようになる
- ただし乗り換えの手続きが面倒ではある
- 違約金や未払い工事費が発生するケースもあるので注意
- 引越し時にインターネット回線を乗り換える場合は、まず既存の回線・プロバイダを解約してもよいか確認する
- その後は乗り換え先に新規利用を見つけて開通可能かどうか判断する
- 開通工事の立ち会い日が決まったら、既存の回線とプロバイダを解約する
基本的に引越し時は、インターネット回線の乗り換えを検討するよい機会です。違約金との兼ね合いなどもありますが、この機会に新しい契約先を探してみるのがよいでしょう。
多くの場合通信速度や利用料金が有利になるはずです。
一方で、手続きが面倒だったり、違約金がネックになったりするかもしれません。だとすれば現状のインターネット回線を引き続き使用する移設という選択肢もあります。
乗り換えと移設両方のメリットとデメリットを比較して、どの回線・プロバイダを使うか決めるとよいでしょう。