- オンラインゲームの通信速度は、どれくらい必要なんだろう？
- できるだけ有利な速度で勝負したい！
- どうやったら通信速度を上げられるのか？
上記のように考えている人は多いでしょう。オンラインゲームでは、通信速度はとても重要なポイントです。
リアルタイム性の高いゲームでは、ほんのわずかな通信の遅れが、そのまま勝敗を分けることもあります。通信速度の目安を知り、不足があればスピードアップさせる必要があるでしょう。
そこで本記事では以下の点を解説します。
- オンラインゲームの通信速度はどの程度か
- オンラインゲームをプレイしているときの通信速度を計測する方法
本記事を読めば、必要な通信速度を確保できるようになるはずです。ぜひご参考にしてください。
目次
オンラインゲームの通信速度の目安は？
まずはオンラインゲームをプレイする際の通信速度の目安に関しておさえておきましょう。
結論から言うと、以下のとおりです。
- ダウンロード速度は30Mbps〜100Mbps
- ただしFPSなどは最低70Mbps欲しい
- Ping単位で見るなら50ms程度は必要
それぞれ詳しく解説するのでご参考にしてください。
基本のダウンロード速度は30Mbps〜100Mbps
オンラインゲームの基本の通信速度は、ダウンロード（下り速度）で考えます。これが30Mbpsから100Mbps程度であるなら、特別問題はないと言えるでしょう。
100Mbpsもあれば、ストレスなく快適にプレイできるはずです。容量が重く処理能力を求められるFPSでも、サクサクと動作しそう。
一方で30Mbpsというのは、近年ヘビー化しているオンラインゲームに対して、本当に最低限クリアしなければいけない水準だと考えましょう。
30Mbpsを下回ると、オンラインゲームのタイトル次第では、致命的なラグが発生したり、そもそも通信エラーでプレイできなかったりするかもしれません。協力が必要なゲームでは、他の人に迷惑をかけてしまう可能性すらありそうです。
FPSやスプラトゥーンなら70Mbpsほしい
FPS、あるいはスプラトゥーンのようにリアルタイム性に、一瞬の判断が勝敗を分けるようなゲームは、70Mbps以上ほしいところ。
なぜなら、ラグがあるからです。
例えばFPSでは壮絶な撃ち合いになったとき、たった0.1秒の通信の遅れが、命取りになることもあります。相手が0.1秒早くこちらを見つけているのに、自分が0.1秒遅れていたら、ものすごく大きな差がついてしまうとわかるでしょう。
基本的に反射神経を問われるようなゲームに関しては、70Mbps以上の高水準な通信速度が必要です。
Ping単位で見るなら50ms以下が基本
インターネット回線の通信速度を測る指標として、Ping値という単位があります。この単位で考えるなら、50ms以上が目安だと言えるでしょう。
50ms以下を下回ると、例えばAPEXのようなゲームだとさすがに通信速度が物足りない場面も出てきます。
なおPing値は、インターネット回線スピードテストで計測することが可能です。
ダウンロードもアップロードも注目しよう
通信速度に関しては、ダウンロードとアップロード、ふたつの数値が設定されています。
一般的に重要なのは、ゲームの情報と状況の読み込み速度を示すダウンロードです。上記で「下り」と表現している数値ですね。
一方でオンラインゲームをプレイするなら、アップロードの速度にも注目する必要があります。近年ではゲームやメタバースなどで、こちらからファイルをアップするケースも増えました。
これが直接勝敗に関係するとは考えづらいでしょう。しかし、アップロードの速度が遅いと、それはそれでイラっとしてしまいます。
ダウンロードだけでなくアップロードの速度にも注目したほうが、より快適でしょう。
オンラインゲームの速度を測定する方法
オンラインゲームをプレイしている際、どのような通信速度が発揮されているか、測定すればわかります。下記ではデバイスごとでの測定方法を解説するのでご参考にしてください。
- PS4・PS5
- パソコン
- Nintendo Switch
それぞれ詳しく解説するのでご参考にしてください。まずは測定して、オンラインゲームをプレイするうえで問題ない速度が確保できているのか、確認しておきましょう。
PS4・PS5
PS4とPS5の速度は、以下の方法で測定できます。
- 起動してホーム画面に移動
- 「設定」を選択する
- 「ネットワーク」を開く
- 「接続テスト」を起動する
- 「インターネット接続のテストを実行する」を選択する
- 「テストが完了」の状態になるまで待つ
これで通信速度が表示されます。
パソコン
パソコンの通信速度を測定するなら、「みんなの回線速度」を利用するのがおすすめです。
ここでプロバイダや通信方式などを入力すれば、ただちにチェックできます。
また同サイトでは、他の環境での通信速度に関しても確認可能です。要するに他の人と比較ができます。
周囲と比べてあまりにも低い数値が出るなら、乗り換えを検討してもよいのかもしれません。
その際は、乗り換え先では同地域にてどれほどの通信速度が確認するのがよいでしょう。そうすることでより確実に環境の改善ができるようになります。
Nintendo Switch
Nintendo Switchを利用している場合は、以下のステップを踏みます。
- ホーム画面を開き「設定」を選択
- 「インターネット」を選択
- 「接続テスト」に入る
テストの結果として、通信速度が表示されます。
そもそもなぜ通信速度は遅くなるのか？
そもそも、なぜこんなにも通信速度が遅いのかと苛立ちを感じている人も多いでしょう。そしてこの点が理解できれば、速度を上げるようにも工夫できるため、よく知っておくのが重要です。
具体的な要因として以下が挙げられるでしょう。
- 通信回線が混雑する時間帯に入った
- オンラインゲームサーバー側の不具合
- 無線接続している
- IoT機器との接続が行われている
- PCのスペックが根本的に低い
通信速度を遅くする要因は、数限りなく考えられます。ただ、主だったところを挙げるなら、上記5点となるでしょう。
それぞれ詳しく解説するのでご参考にしてください。
通信回線が混雑する時間帯に入った
まず、通信速度が混雑する時間帯に入ってしまったのかもしれません。
以下のような時間帯は、特に通信が混み合い、速度が低下しがちです。
- 朝7:00-8:00ごろ
- 昼12:00-13:00ごろ（お昼休み）
- 夜19:00-21:00ごろ
要するに仕事でもなんでもないプライベートな時間は、通信速度が遅くなることがあります。
もし通信速度をどうしても高く保ちたいなら、別な時間帯を選んだほうがよいかもしれません。とはいっても昼間からゲームするわけにもいかないでしょう。
その場合は後ほど解説するように、帯域を変えたり、ルーターを変更したりする方法が考えられます。
オンラインゲームサーバー側の不具合
またオンラインゲームサーバー側での不具合も考えられます。多数のユーザーがアクセスするとき、当然ながらサーバーには負荷がかかるものです。これにより、オンラインゲームの読み込みが長くなり、最終的には通信速度の遅延、といった形で現れます。
ただしオンラインゲームサーバーの不具合は、ユーザー側でどうこうできるものではありません。サーバーの改善や復旧を待つほかないのが現状です。
無線接続している
無線接続している場合、どうしても通信速度は遅めになるでしょう。
ここで問題になるのはルーターと端末の位置関係です。
あまりにも離れていたり、間に障害物があったりすると、通信に支障が出て、速度が落ちる可能性もあります。できるだけルーターと端末は近づけて、また間には何も置かないようにしたいところです。
ちなみに無線接続をさまたげる要因としては以下の記事で解説しているのでご参考にしてください。
IoT機器との接続が行われている
オンラインゲームに接続しているインターネットが、IoT機器とも繋がっているなら、やはりスピードダウンは起こり得るでしょう。
IoTとは、パソコンやスマートフォンだけでなく、これまでは独立していたはずの各種家電もインターネットに接続し、ネットワークを活かして利便性を発揮しようという試み。
もちろんこれ自体は悪いことではありません。しかしIoTに対応した家電がインターネットにいくつも接続していると、本来はパソコンに割り当てられた通信スペックが横取りされてしまいます。
IoT機器はさほど接続が重要ではないケースも多く、ただ単にオンラインゲームの通信を妨げているだけ、という場合も珍しくありません。
PCやルーターのスペックが根本的に低い
また、PCやルーターのスペックが低いから、通信がうまく行かないのかもしれません。
近年のオンラインゲームは求める環境の水準が高く、やや古いPCやルーターだとついていけないこともあります。
PCに関しては、メモリ増設や買い替えなどが必要となるでしょう。ルーターに関しては、レンタルや交換などが対策として考えられます。
ただし、MacBookのようにメモリ増設ができないパソコンも少なくありません。さらにルーターがすでに最新のものであった場合には、別な方法で通信速度の向上を目指すこととなります。
オンラインゲームの通信速度を速くするポイントは？
オンラインゲームの通信速度を計測し、その原因がわかったなら、速度UPの方法を考えましょう。具体的には以下の方法が考えられます。
- 光回線にするのは大前提
- 5Ghz帯に切り替える
- 有線接続に切り替える
- IPv6を利用する
- ルーターやLANケーブルを替える
- 余計なIoT機器を接続しない
- ルーターの位置を変更する
- PCのメモリを増強する
上記のうちいくつかを試せば、通信速度が大幅に改善する可能性があります。それぞれ詳しく解説するのでご参考にしてください。
光回線にするのは大前提
大前提として、インターネット通信は光回線でおこなう必要があります。光でなければ、現代のオンラインゲームはあまりにもヘビーすぎてプレイできません。
もしまだ光回線に切り替えていないなら、すぐに乗り換えましょう。
ただし光回線にも当たり外れがあり、例えばマイナーすぎる会社との契約は避けたほうが無難です。なるべくよく知られているところとの契約を念頭に入れましょう。
5Ghz帯に切り替える
また、ルーターが使用する周波数帯を、5Ghz帯に切り替えてみましょう。
そもそもルーターには5Ghzと2.4Ghzの2種類が存在します。
5Ghz帯の特徴として、「電波が届く範囲は狭いものの、通信速度は速い」点が挙げられます。要するに「狭く深く」というのが特徴ですね。
これに切り替えるだけで、通信速度が劇的に改善することがあります。基本的にルーターは、最初は5GHz帯には設定されていないはずです。
説明書を読み、5Ghz帯に切り替えられないか試しましょう。
ただし5Ghz帯を使うと電波が届く範囲が狭くなります。例えば2階での通信速度が遅くなるなどの問題も考えられるため、色々と兼ね合いに関して配慮しなければいけません。
有線接続に切り替える
有線接続に切り替えれば、通信速度が一気に改善する可能性があります。一般的に無線LANよりも、有線LANのほうが速度と通信は安定する傾向です。
提供元に確認し、有線にできるのであれば実施してみましょう。LANケーブルは、無線LANとしてルーターを利用していたとしても、あらかじめ契約時に渡されているケースがあります。
なければLANケーブルを購入するのもよいでしょう。Amazonや楽天市場にて、1,000円程度で購入することが可能です。
ただしLANケーブルの種類などによっては改善がさほどでもない場合もあるので、注意してください。
IPv6を利用する
またIPv6を利用する方法も考えられます。これはインターネットに接続するうえで必要な IPアドレスを意味するもので、家庭用としては最も安定した速度を発揮するものです。
ところが、ルーターは初期設定ではIPv4に設定されており、これの速度はさほどでもありません。提供元に問い合わせて、IPv6に切り替える方法を聞いて設定してみましょう。
ただしルーターや提供元しだいでは、そもそもIPv6が使えないケースもあります。
ルーターやLANケーブルを替える
ルーターやLANケーブルを替えるのも、ひとつの方法です。
インターネット通信のために貸し出されているルーターですが、実はこれは、「通信速度に問題がある」といえば新しい機種に交換してもらえる場合があります。
ルーターと一言に言ってもその種類はさまざま。同じ提供元でも、ハイスペックなものだったり、一昔前で性能が物足りなかったりします。
おそらく契約時にはルーターの知識がなく、渡されたものをそのまま使っているはずです。しかしこれがロースペックなルーターだった場合。通信速度の面では相当に損をしているといえるでしょう。
可能であれば、スペックが高いものを要求してみましょう。なお、多くの場合交換に関して費用はかかりません。
余計なIoT機器を接続しない
もし余計なIoT機器を接続しているなら、片っ端から接続をシャットアウトしましょう。やはりIoTで色々な機器が入り乱れていると、通信速度には大きな問題が生まれます。
例えば以下のような機器を、さほど必要でもない状態で、接続してはいないでしょうか？
- 電子レンジ
- 冷蔵庫
- カーテンの開閉装置
- ゲームのハードウェア
- 掃除機
これらはIoT接続を、常に続ける必要がないのが実情です。少なくともパソコンに向かって何かに集中しているときには、接続が切れていても何ら困ることはないでしょう。
例えばカーテンの開閉装置が一時的に使えなかったとしても、大して問題はないはずです。
パソコンを使うときはできるだけ電源を切り、通信に関するリソースが集中するように工夫してみて下さい。
ルーターの位置を変更する
無線で通信している場合は、ルーターの位置変更も試してみましょう。なぜならパソコンとルーターの位置関係は、通信速度に対して大きく影響するからです。
例えば以下のような問題があると、通信速度は悪化します。
- ルーターとパソコンの間に、障害物がある（特に金属製家具や水槽には注意）
- 1階と2階の位置関係にある
- ルーターが部屋の片隅にあるetc.
こういったことがあると、どうしてもルーターからの届けられる電波が微弱になります。そうすると、オンラインゲームの通信速度も悪化するでしょう。
つまり、ルーターとパソコンをできるだけ近づけて、間に障害物を置かないようにすれば、改善が見込まれます。うまく家具などの位置を調整するなど、工夫してみましょう。
PCのメモリを増強する
もし通信速度を改善しただけは効果が感じられないなら、パソコンのスペックに問題があるかもしれません。いくら通信がスピーディーでも、得られた情報をテキパキと処理できなければ、動作は緩慢に感じられるわけです。
パソコンの処理速度を司るのは、「メモリ」と呼ばれる部分。製品仕様を見ると「メモリ8GB」「16GB」などと書いてありますが、この数値を増やせば、処理を速める、つまりより快適に活用することが可能です。
メモリは、以下の方法で増設できます。
- パソコンのメーカーや説明書を読み、どのメモリの種類が使われているか確認する
- メモリスロットが空いているか確認する
- メモリを購入する（Amazonや楽天市場などで簡単に入手可能）
- コンピューターの電源を切った状態で、メモリを挿入する
- コンピューターを起動し、メモリを再認識させる
この方法で、PCのメモリを増強できます。なおPCのメモリは3,000円程度と決して高くありません。
まとめ
本記事では、オンラインゲームの通信速度に関して解説しました。最後に重要なポイントおさらいしておきましょう。
- オンラインゲームの通信速度の目安は30〜100Mbpsと考える
- 100Mbpsもあれば、どんなゲームもサクサクと動作する
- 30Mbpsは最低限求められる水準で、これを下回るようだと快適なプレイを楽しめなさそう
- ただしFPSやスプラトゥーンなら、70Mbpsは欲しいところ
- オンラインゲームの通信速度は、各デバイスで簡単に確認できる
- 通信速度が低下する原因は、時間帯が悪かったり、無線接続していたり、さまざまものが考えられる
- ただし通信速度は、光回線に切り替えたり、5Ghz帯に変更したりすれば、向上が見込める
- その他有線接続に切り替えたり、ルーターやLANケーブルを交換したりするのも有効
近年、オンラインゲームは容量が大きくなり、また一瞬に求められる処理速度も相当なレベルとなりました。見る見るうちに町が染め上げられていくスプラトゥーンなどを見れば、パソコンにも通信環境にも大きな負担がかかってしまうことは、よくわかるでしょう。
だからこそオンラインゲームをプレイするうえでは、通信速度を高く保つのが重要です。原因を見極め、できる限りの対策を実施しましょう。
なお通信速度が遅いのではなく、パソコンの処理速度が遅いケースもあります。その場合はメモリ増設などが有効となるので、一度試してみましょう。