- ポケットWi-Fiは何台まで同時接続できる?
- 同時接続で通信速度や通話品質はどう変わる?
- 複数のデバイスを接続しても、快適にWi-Fiを利用したい
上記のような疑問を持っている人は多いでしょう。何台も接続できるのは便利ですが、その影響は気になるところ。
そこで本記事では以下を解説します。
- ポケットWi-Fi各種の同時接続台数
- 同時接続で起こることや、通信速度や通信品質への影響
- 接続台数を超えた場合に起こること
- 同時接続の注意点や、快適に使う方法
本記事を読めば、ポケットWi-Fiの同時接続台数を理解し、より快適にWi-Fi環境を利用できるようになります。ぜひご参考にしてください。
目次
ポケットWi-Fi各種は何台まで同時接続できる?
同時接続台数は、ポケットWi-Fiの機種によって異なります。ただ目安を言えば、たいてい10台から17台ほど接続できると考えましょう。
一例として、主要なポケットWi-Fi各種の同時接続台数は以下のとおり。
機種名 | 同時接続台数 |
Pocket WiFi 5G A102ZT | 30台 |
Speed Wi-Fi 5G X11 | 17台 |
Speed Wi-Fi NEXT WX06 | 17台 |
Pocket WiFi 803ZT | 16台 |
Pocket WiFi 801HW | 16台 |
Galaxy 5G Mobile Wi-Fi | 11台 |
U3 | 10台 |
MR1 DOR03 | 10台 |
Rakuten WiFi Pocket | 10台 |
最新機種は同時接続台数が多く、例えばPocket WiFi 5G A102ZTは30台まで接続できます。
近年ではパソコンやスマートフォンだけでなく、タブレットや家電もインターネット接続するケースが増えました。しかし同時接続台数はほとんどのポケットWi-Fiで十分に用意されており、「接続先が不足する」などの問題が生じるケースはかなり少ないでしょう。
ポケットWi-Fiに同時接続すると何が起こる?通信速度や通話品質への影響
ポケットWi-Fiに複数デバイスを同時接続すると以下の現象が起こります。
- 通信速度が遅くなる
- 速度制限がかかりやすくなる
- バッテリー消費が激しくなる
- 本体が熱くなってしまう
まず通信速度が落ちるのは大きなデメリット。他にも速度制限やバッテリーなどの問題が気がかりです。
それぞれ詳しく解説します!
通信速度は遅くなる
台数によっては通信速度が遅くなります。
目安として、2台から3台ほど接続する程度なら、あまり大きな変化はありません。モバイルWi-Fiは多少接続台数が増えても、速度を確保できるように設計されているからです。
しかし4、5台になると、容量の大きいコンテンツを開くなどすると、別なデバイスの通信速度が落ちることがあります。
それ以上接続した場合は通信速度の低下をはっきりと感じるようになります。
ただしどの程度低下するかは、接続しているデバイスの種類や、デバイス上で行われている操作によって変動するもの。あくまでも上記は目安と考えましょう。
速度制限がかかりやすくなる
同時接続台数が増えると、速度制限がかかりやすくなります。当然ながら使用する通信量が増えるからです。
通信容量に上限に余裕がないプランだと、あっという間に速度制限がかかるかもしれません。
多くのデバイスを接続するなら、通信容量に余裕のあるプランを選ぶ必要がありそうです。また動画ダウンロードやビデオチャットなら、通信容量を多く消費する動作を控えるなどの工夫が求められます。
バッテリー消費が激しくなる
ポケットWi-Fiのバッテリー消費が激しくなるのも心配です。
同時に複数デバイスを接続するにはより多くの電力が求められます。その数が多ければ多いほど、バッテリーは早く消耗します。
自宅や職場であればクレードルに置いておけば問題ありません。しかし外へ持ち出す場合は、充電容量を気にする必要が出てきます。
特に古いポケットWi-Fiは最大充電容量が小さく、出先で電池切れを起こしやすくなるので注意です!
本体が熱くなってしまう
同時接続する場合、本体が熱くなる点も心配です。もちろん「触って火傷する」ほど熱を持つわけではありません。
バッグに入れているとき、一緒に入れているものまで熱くなってしまうことも。例えば購入したアイスクリームや飲み物を温めてしまうかもしれません。
またポケットWi-Fi自体が熱に弱い精密機械です。
つまり高温になることで、ポケットWi-Fi自体の故障や不具合が起こりやすくなるので注意です!
ポケットWi-Fiの同時接続台数をオーバーするとどうなる?
ポケットWi-Fiには同時接続台数の上限が決まっています。しかしこれをオーバーすると以下の問題が起こります。
- そもそも接続できない
- 通信速度がかなり遅くなる
それぞれ解説するのでご参考にしてください。
そもそも接続できない
多くのポケットWi-Fiは、定められた同時接続台数以上にデバイスを接続できません。新しく接続するには別のデバイスを取り除く必要があります。
通信速度がかなり遅くなる
定められた同時接続台数以上にデバイスを接続しているなら、通信速度はかなり遅くなります。
そもそも規定された台数の範囲内でも、通信に影響が出るもの。それ以上に接続するなら、満足できる速度は確保できないでしょう。
ポケットWi-Fiを同時接続するなら何台まで?4つのポイントを解説
ポケットWi-Fiに複数のデバイスを同時接続するなら、以下のポイントをおさえましょう。
- 同時接続は2〜3台まで
- 使用するユーザー全員が通信容量を意識する
- 接続台数の上限を超えない
- ログインIDやパスワードは厳重に管理
4点を知っておけばまず問題はありません。それぞれ解説するのでご参考にしてください。
1.ポケットWi-Fiはできれば2〜3台で使用する
ポケットWi-Fiは、できれば2〜3台で使用しましょう。この範疇なら、通信速度に大きな影響はありません。
もちろん、4台以上のデバイスを利用したいケースもあるはず。その場合は使用していないデバイスの接続を切るなどして、同時接続台数が少なくなるように調整しましょう。
例えばIoT家電のうちエアコンやテレビは、常時接続が必要なわけではありません。遠隔操作などが必要なときだけ接続するといった使い方がおすすめです。
2.使用するユーザー全員が通信容量を意識する
同時接続する場合は、使用するユーザー全員が、通信容量に限界があることを意識しましょう。そうすれば速度制限がかかりづらくなります。
1人あたり、月間で何GB使えるのか、平均値を割り出してみましょう。そして下記の表を元に何をどこまで閲覧できるか確認します。
内容 | 1GBで実行できる時間数 |
動画視聴(HD画質) | 1時間 |
ビデオ通話 | 3時間 |
SNSの閲覧 | 4時間 |
音楽ストリーミング | 20時間 |
LINE通話 | 50時間 |
たとえば1人あたり、1ヶ月で20GB使えるとします。そうすると毎日動画視聴を楽しむのは難しそうです。しかしSNSの閲覧や音楽ストリーミングなら、自由に楽しめます。
上記のように通信容量と、何を何時間閲覧できるのか意識しましょう。
全員が通信容量に限界があると理解して譲り合う状態になれば、速度制限に悩まされることも少なくなります。
限られた通信容量をどのように振り分けて使っていくのか、家族やチームで考えてみましょう!
3.接続台数の上限を超えない
ポケットWi-Fiに同時接続するのは2、3台がベストですが、どうしても多くのデバイスを繋ぎたい場面もあります。
できれば台数は絞りたいところですが、必要なら多数のデバイスを接続してもかまいません。多少通信速度は落ちるものの、仕様の範囲内であれば問題なく動作します。
ただし定められた台数以上は接続しないのがおすすめ。通信速度が著しく遅くなったり、通常では考えられない不具合が起こったりします。
快適かつ安全に利用するため、接続台数の上限だけは超えないようにしましょう。
4.ログインIDやパスワードは厳重に管理
デバイスが同時接続され、複数人で使用する場合はログインIDやパスワードの管理には細心の注意が必要です。
この場合ポケットWi-Fiを使用する際に、複数人が同一のログインIDとパスワードを共有します。となると、ふたつの情報が外部へ流出するリスクが、単独で利用する場合と比較して大きくなります。
万が一ログインIDとパスワードが流出した場合、個人情報や閲覧内容を盗み見されるなど、セキュリティ上の問題が起こるかもしれません。また関係のない人物が勝手にWi-Fiへ接続し、貴重な接続台数と通信量を奪われることも。
複数デバイスを多人数で使用する場合は、全員がログインIDとパスワードの厳重な管理を心がけましょう。あるいは全員に知らせず、代表者のみがログインIDとパスワードを把握して流出のリスクを低減する方法もあります。
ポケットWi-Fiを同時接続しても快適に使う方法
ポケットWi-Fiに複数のデバイスを同時接続すると、台数に応じて通信環境が悪化します。
しかし以下の工夫で、接続台数を増やしつつも快適に通信することは可能。
- 本体の置き場所を調整
- 再接続・再起動を実施する
- 使用していないデバイスの電源を落とす・接続を解除する
- ソフトウェアアップデートを最新に
- ポケットWi-Fiの種類やプランを見直す
上記5つを実施すれば、同時接続の状態でも通信環境を整えられます。それぞれ詳しく解説するのでご参考にしてください。
1.本体の置き場所を調整する
ポケットWi-Fiの通信環境が安定しないなら、ルーターの置き場所を調整して電波の流れを調整しましょう。これはもっともシンプルで効果的なやり方です。
具体的には以下のような置き方を意識します。
- できるだけ部屋の中央に置く
- 周囲に家電製品や金属、水槽がない
- カバーなどで本体を覆わない
- 床から1m以上の高さを確保する
ポケットWi-Fi本体は、360度に対して均一に電波を発しています。つまり電波が入りづらい死角を作らないためには、部屋の真ん中に置くのが理想的。
ただし家具の配置や電源ケーブルの位置の兼ね合いもあるため、できる限り中央に寄せる程度でかまいません。
また周囲に家電製品や金属、水槽を置かないのもポイント。これらは電波通信を阻害したり、あるいは弱めたりする障害物なので、できるだけポケットWi-Fiと距離を取りましょう。
そしてポケットWi-Fiはカバーなどで覆わないようにするのもポイント。
さらに床から1m以上の高さに配置するのも重要です。ポケットWi-Fiが発する電波は床に反射すると弱体化します。しかし1m以上の高さがあれば反射しづらくなり、また2階にも電波が届きやすくなります。
ポケットWi-Fiの通信環境が安定しないなら、電波が届きやすい位置に配置しましょう。置き方を変えただけで通信速度が劇的に改善するケースもあります。
2.再接続・再起動を実施する
通信品質が安定しないときは、ポケットWi-Fiやデバイスの再接続や再起動を実施するのも効果的。
再接続や再起動するだけで劇的に改善するケースもあります。
再接続のやり方は簡単です。デバイス側で一度Wi-FiをOFFにして、再度ONにしましょう。
再起動はポケットWi-Fiとデバイス両方で実施するのがおすすめ。通信品質を落とす原因は、どちらにも発生しうるからです。
上記でも変化が見られないなら、デバイス側でWi-Fiの接続設定、つまりSSIDとパスワードを消去する方法もあります。一度消したあとでSSIDとパスワードを入力して再度接続すると、通信の状態が向上するかもしれません。
3.使用していないデバイスの電源を落とす・接続を解除する
同時接続している場合は、使用していないデバイスの電源を落として、回線を確保するのが基本です。
接続台数が少なくなればなるほど、通信容量が少なくなり、通信速度も安定します。
電源を落としたり、接続を解除したりするのは少し面倒かもしれません。しかし放置していると使用中のデバイスの通信環境を乱すうえ、通信容量を無駄に消費する原因になります。
同時接続をするのはかまいませんが、不要なデバイスに回線を割かず、接続台数が少なくなるように工夫しましょう。
4.ソフトウェアのアップデートは最新を保つ
ポケットWi-Fiのソフトウェアアップデートは常に最新を保ちましょう。アップデート内容によっては電波が効率よく分配されるなどの調整が入り、通信環境が向上することもあります。
通信速度に不満があるなら、現時点でのソフトウェアが最新か確認してみましょう。
なおポケットWi-Fiのアップデートは年に2回から3回実施されます。定期的にアップデートを求めるお知らせが届いていないか確認してみましょう。
なお、お知らせは契約事業者の公式サイトなどですぐに確認できますよ!
5.ポケットWi-Fiの種類やプランを見直す
利用環境に不満が残るなら、ポケットWi-Fi本体の種類や利用プランを見直すのもひとつ。
古いポケットWi-Fiは性能が低く、通信速度が遅かったり、同時接続によるパフォーマンスの低下が激しかったりします。一度の契約事業者の公式サイトで最新のポケットWi-Fiをチェックして、買い替えできないか検討しましょう。
速度制限との兼ね合いが気になるなら、利用プランも再検討しましょう。通信容量を増やすなどすれば、不自由なくデータ通信できるようになります。
また契約事業者によっては「速度制限中でも一定の通信速度を確保できる」といったオプションを用意していることも。各プランを確認して自身に合った環境を整えましょう。
ポケットWi-Fiの同時接続に関するQ&A
本記事ではポケットWi-Fiの同時接続について解説しました。最後によくある質問をQ&Aの形式で解説します。
- ホームルーターの同時接続台数は?
- ポケットWi-Fiの接続台数を確認する方法は?
- IoT家電を接続すると、通信速度は遅くなる?
細かい疑問を解決したうえで、ポケットWi-Fiを利用しましょう。
ホームルーターの同時接続台数は何台ほど?
ホームルーターの同時接続台数は、18台から128台と幅があります。ただ、少なくともポケットWi-Fiよりも多くのデバイスを接続できます。
これだけ同時接続できれば「デバイスを接続先がない」と悩むことはないでしょう。
主要なホームルーターごとの同時接続台数は以下のとおり。
<WiMAX用>
機種名 | 同時接続台数 |
Speed Wi-Fi HOME L02 | 40台 |
Speed Wi-Fi HOME 5G L12 | 40台 |
Speed Wi-Fi HOME 5G L11 | 30台 |
<その他>
機種名 | 同時接続台数 |
ソフトバンクAir | 128台 |
モバレコAir | 128台 |
home5G | 65台 |
ただしホームルーターも、同時接続数が多くなると通信速度が落ちます。ポケットWi-Fi同様、接続する台数はできるだけ少なくしましょう。
ポケットWi-Fiの接続台数を確認する方法は?
ポケットWi-Fiの接続台数を確認する方法は以下3つです。
- 契約業者の公式サイトを見る
- 取扱説明書を読む
- 端末内の仕様ページを読む
最も簡単なのは、契約業者の公式サイトを見ること。必ずポケットWi-Fi本体の仕様が掲載されており、その項目内に接続台数が記載されています。
IoT家電を接続すると遅くなる?
IoT家電を接続した場合、接続数が多ければ通信速度にも影響が出る可能性はあります。
ただしIoT家電は、動画の視聴ほど通信容量を消費しません。
したがって多少台数が多くても不便は感じないでしょう。
まとめ
本記事ではポケットWi-Fiは何台まで接続できるのか解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしておきましょう。
- ほとんどポケットWi-Fiは10台以上のデバイスを接続できる
- ただし同時接続台数が多すぎると、通信速度が落ちる
- その他、速度制限がかかりやすくなったり、バッテリー消費が激しくなったりする懸念も
- 定められた同時接続台数以上のデバイスを繋ぐと、通信速度が大幅に悪化、不具合も起こりやすい
- ポケットWi-Fiに同時接続するなら2〜3台が理想的、これなら通信速度にも影響は出づらい
- 速度制限は、一人ひとりが通信容量を意識すればかかりづらい
- 同時接続状態でも快適に使うには、ポケットWi-Fiの本体の置き場所を調整するなどの工夫が効果的
- 使っていないデバイスは電源を落としたり、ソフトウェアアップデートを最新に保ったりするのも大切
- 工夫しても利用環境に不満が残るなら、ポケットWi-Fiの種類や利用プランを見直すのもひとつ
ポケットWi-Fiは、数多くのデバイスを同時に接続できます。しかし接続台数が増えるほど通信速度が不安定になるのも事実。
台数と速度のバランスを考えて、どのデバイスを接続するのか考えましょう。