- 「自宅のWi-Fiが遅いのでなんとかしたい」
- 「遅くなる原因はいったいなんなのか?」
- 「ウチの通信速度は遅すぎる?」
上記のように感じている人は多いでしょう。
自宅のWi-Fiが遅いときは、多少の調整や工夫で通信速度が劇的に回復することもあります。逆を言えば、ごく小さな原因で速度が低下することもあるわけです。
そこで本記事は以下の点を解説します。
- 自宅のWi-Fiが遅いときの対処法8選
- Wi-Fiが遅くなってしまう原因
- Wi-Fiの速度を確認する方法と目安
本記事を読めば、Wi-Fiルーターの重大な故障でもない限り、Wi-Fiの通信速度を回復できるはずです。
目次
自宅のWi-Fiが遅いときはどうする?速度を上げるには?
自宅のWi-Fiの通信速度が遅いときは以下の順番で対策を試してみましょう。
- Wi-Fiルーターの置き場所をできるだけ理想的な場所に変える
- Wi-Fiルーターを再起動する
- チャンネルを変更する
- ソフトウェアをアップデートする
- 「IPv6」で接続
- 同時接続している端末をOFFにする
- 新しいWi-Fiルーターに取り替える
- 中継機を使って電波を導く
- プロバイダーを乗り換える
基本的に1から順に試していけば、時間の手間を最小限におさえられます。順番に解説するのでご参考にしてください。
1.Wi-Fiルーターの置き場所をできるだけ理想的な場所に
まずはWi-Fiルーターの置き場所を、理想的な、つまりもっとも電波が届きやすい位置にしてみましょう。理想だけでいえば、以下のような置き方がベスト。
- できるだけ部屋の真ん中
- 近くに電子レンジ・金属品・鏡・水槽などなく電波の送受信が邪魔されない
- 窓際ではない
- 周囲に障害物がない
- 床から1〜2m高い場所
Wi-Fiの電波は、周囲に遮るものがなければ、全方位にバランスよく行き渡ります。一方で床や壁で反射すると通信速度は不安定になりがち。
そう考えれば、以下のような置き方がもっとも好ましいでしょう。
しかし上記条件をすべてクリアするのは困難。ただしひとつでも多く条件を満たせば、そのぶん通信速度も安定するはずです。
2.Wi-Fiルーターを再起動する
デバイスではなく、Wi-Fiルーターを再起動するのもよいでしょう。これでほとんどの通信速度の遅延は解決されます。PCやiPhoneのように、一度電源を切ればリフレッシュでき、改善が望めるわけです。
同時接続している場合は、再起動することで新しいチャンネルに接続し、いわば渋滞の状態から抜け出せます。つまり他の通信に邪魔されなくなり、通信速度の回復が期待できます。
なお再起動の方法は、取扱説明書を読めば確認可能です。
特定の端末だけ遅い場合の対策
特定の端末だけが遅い場合は、Wi-Fiルーターではなく端末側の不具合が考えられます。やはり再起動や電源の入れ直しを試してみましょう。
また以下の設定が有効になっていないか確認してください。
- 機内モードに設定されていないか
- モバイルデータ通信がOFFになっていないか
- 別なWi-Fiに接続されていないか
それでも改善しないなら、同時接続しているデバイスの数が多すぎると考えられます。使っていないデバイスの接続を遮断してみましょう。
iPhoneだけが遅いときは「3R」を試そう
iPhoneだけが遅い場合は、Appleが推奨する以下の「3R」試してみましょう。
- Retry:通信のON/OFF切り替え
- Reset:再起動
- Restart:電源の入れ直し(再起動ではなく、一度完全に電源を落とす)
iPhoneは3Rを実施すれば、たいていの不具合が解決するように設計されています。上から順に試してみましょう。
なお3R以外にもReinstall(再インストール)とRestore(復元)もありますが、基本的にここまでする必要はありません。
3.チャンネルを変更する
ここまでやっても改善しないならチャンネルを変更してみましょう。
実はWi-FiのWi-Fiルーターには、2.4Ghzと5Ghz、ふたつのチャンネルが用意されています。
うち、初期設定では基本的には広範囲に電波を飛ばせる2.4Ghzと設定されているでしょう。つまりこのチャンネルに複数のPCやスマートフォンの送受信が集中しています。
ここで温存されていた5Ghz回線を開き、Wi-Fiを接続しましょう。他のデバイスとの通信が干渉しなくなり、大幅に速度が改善する可能性があります。
なおチャンネルの変更方法は取扱説明書を読めばすぐにわかるでしょう。
4.ソフトウェアアップデートを実施する
チャンネルを変更しても解決しないならソフトウェアアップデートも試してみましょう。アップデートすれば不具合が解決し、通信速度が改善するかもしれません。
アップデートの方法は、ほとんどの場合電源のON/OFFか再起動です。ただし一部特別な操作が必要なケースもあるため、できれば取扱説明書に目を通しましょう。
5.「IPv6」で接続する
アップデートを試しても解決しないなら「IPv6」という接続方式を利用しましょう。通常、Wi-Fiルーターは接続の方式として「IPv4」を使っています。しかしIPv6に切り替えれば「網終端装置」という余計な回線を通過しなくなるため、より早い速度で接続できるようになるはずです。
なぜIPv6を最初から使わないのか不思議ではありますが、とにかく速度を改善するならこの接続方式を試してみましょう。
6.同時接続している端末はOFFに
Wi-Fiルーターに複数のデバイスを接続しているなら、使っていないものはOFFにしましょう。同時接続台数が多いと、一台に与えられる回線が目減りするため、通信速度も遅くなります。
しかし接続している台数を減らせば、通信速度を回復することが可能です。
7.新しいWi-Fiルーターに取り替える
ここまでやっても改善しないなら、新しいWi-Fiルーターに取り替えてみましょう。
これはお金をかけずに実施できる見込みが高いです。契約先に「調子が悪いから、新しいWi-Fiルーターに切り替えて欲しい」と要請すれば、新しいWi-Fiルーターを無料で提供してくれる可能性があります。
あらゆる方法を試しても改善しないなら、一度契約先に相談してみましょう。
8.中継機を使って電波を導く
Wi-Fiルーターを変えても改善しないなら、そもそも自宅の間取りに問題がありそうです。中継機を使って、足りないところに電波が行き渡るようにしましょう。
中継機とは、電波をより遠いところで飛ばすための機能です。特に部屋が広かったり、2階での通信速度が悪かったりするなら、中継機は高い効果を示します。
なお中継機は契約先から無償でレンタルできる可能性があるので一度試してみましょう。
9.【最終手段】プロバイダーを乗り換える
ここまでやってもWi-Fiが遅いままなら、さすがにプロバイダー自体を代える必要があります。より強いWi-Fiと優秀なWi-Fiルーターに変更するほかないでしょう。
どうしてもWi-Fiルーターは地域や間取りによっては、正しいパフォーマンスを発揮できない場合があります。ごくまれにしか起こらないのですが、中継機まで使っても改善しないなら、運悪く相性の悪いWi-Fiルーターを使ってしまった、というわけです。
費用はかかってしまうかもしれませんが、一度乗り換え先を探してみましょう。
自宅のWi-Fiが遅い原因は何?繋がっているのに遅くなるのはなぜ?
自宅のWi-Fiが遅い原因は色々と考えられます。主だったところで言えば、以下が挙げられるでしょう。
- 電波を遮る障害物
- Wi-Fiルーター自体の不調や故障
- 電波が届いていない
- 同時接続しているデバイスが多すぎる
- 電子レンジの干渉を受けている
- 床暖房を設定している
- 接続数が増える時間帯を迎えた
電波障害などのアクシデントをのぞけば、上記いずれかが原因となります、今後、通信速度で不便しないためにも、上記を知っておきましょう。
電波を遮る障害物
自宅のWi-Fiが遅くなるもっとも多い原因は、電波を遮る障害物です。Wi-Fiルーターとデバイスの間に何かがあれば、当然通信に影響が出ます。
特に以下のものは電波に干渉しやすいので注意。
- 鏡
- 分厚い壁
- 金属品
- 水槽
これらをWi-Fiルーターもしくはデバイスに近づけないようにしましょう。
ちなみに水槽がいけないのは、水が電波を吸収するからです。つまり利用できる電波が弱体化します。これを見落としているケースは多いので、自宅でも問題がないか確認しましょう。
Wi-Fiルーター自体の不調や故障
自宅のWi-Fiが遅いなら、Wi-Fiルーター事態の不調や故障が原因かもしれません。おおかたの不調は、再起動やアップデートを実施すれば復旧します。
しかしWi-Fiルーターも機械にしかすぎません。何らかの原因で故障することはあります。
電波が届いていない
Wi-Fiルーターから電波が発せられているものの、必要な場所に届いていない場合も。特に離れた部屋や2階部分は弱い電波しか届かないケースが多々あります。
変わったところでは地下の部屋に届かなかったり、あるいは同じ部屋でも隅にいくと通信速度が落ちたりもします。
電波は、些細な位置関係で通信が途絶えがち。少し不便ですがうまく調整する必要があるでしょう。
同時接続しているデバイスが多すぎる
同時接続しているデバイスが多すぎるのも、Wi-Fiが遅くなる原因です。
ほとんどのホームWi-Fiルーターには、10台以上のデバイスを接続できます。だから、家族全員のスマホでWi-Fiを利用できたり、あるいは複数の家電をインターネットに接続できたりするわけです。
ただし接続できるのと、通信速度が安定しているかは別の話。同時接続している台数が多ければ多いほど、速度遅延を感じるでしょう。
電子レンジの干渉を受けている
電子レンジが干渉して、自宅のWi-Fiが遅くなっているのかもしれません。
先ほど、水槽などの障害物が電波通信を邪魔すると述べました。しかし電子レンジはそれ以上に大きな障害となります。
通常、Wi-Fiルーターは2.4Ghzというチャンネルを利用しています。そして電子レンジがモノを温めるときに発するマイクロ波もまた2.4Ghz。
要するに、チャンネルを電子レンジに乗っ取られてしまうわけです。Wi-Fiを快適に使うならマイクロ波の影響を受けないように位置関係を工夫しなければいけません。
床暖房を設定している
床暖房を設置しているなら、自宅のWi-Fiの通信速度は遅くなるでしょう。
床暖房は、床材のほか電波の行き来を阻害するアルミの板が敷き詰められます。これでは、電波がうまく届きません。
同じ階層ならさほど影響はありませんが、床暖房を挟んで上下階にWi-Fiを繋ぐとなると問題が起こります。ほとんど階段経由でしか電波を送受信できないため、通信速度が遅くなるのもうなずけます。
【マンション共用の場合】接続数が増える時間帯を迎えた
Wi-Fiがマンションで共有されている場合、例えば以下の接続数が増える時間帯を迎えたのが原因かもしれません。
- 19時〜24時(帰宅直後)
- 12時〜13時(昼食)
- 7時〜9時(起床直後)
上記の時間は利用者が集中し、回線に大きな負担がかかります。これが原因で通信速度が遅くなるのはよくあることです。
マンション共用のWi-Fiの速度に不満があるなら、ネット回線を変えるなどの工夫が必要となるでしょう。
Wi-Fiの速度を確認する方法と目安・平均
- 「そもそも、Wi-Fiの速度はどれくらい出ていれば許容範囲なのだろう?」
- 「どうすれば計測できるのだろう?」
上記のように考えている人は多いでしょう。ここでは測定方法と、Wi-Fiの速度目安を解説します。
Wi-Fiの速度を測定しよう
自宅のWi-Fiの速度を測定するなら、「インターネット回線スピードテスト」を使いましょう。測定開始を押せば、以下のように通信速度が表示されます。
(引用:https://speedtest.gate02.ne.jp/)
上記で言えば下り速度75.62Mbps、上りは71.10。「回線の反応速度」を示すPING値は12ms、「PING値がどれだけ安定しているか」を示すJITTER値は8msです。
Wi-Fiの通信速度目安と平均
上記で速度を計測できたら、続いて下記の表と照らし合わせてみましょう。
先ほどの例で言えば、下り速度は75.62Mbpsなのできわめて優秀です。上り速度も文句なし。PINGも12Msなので「優秀」に位置します。JITTER値も優秀な部類。
つまり上記の通信環境は速いうえに安定しているという理想的な状態だと判断できるでしょう。
自宅のWi-Fiでの通信速度がどの程度なのか上記の表と見比べ、問題があれば改善するように動くのが重要です。
自宅のWi-Fiの通信速度に関するよくある質問
本記事では自宅のWi-Fi速度が遅い場合のことを解説しました。最後によくある質問に対してQ&Aの形式で回答します。
- よく聞く「上り」「下り」って何?
- Wi-Fiが急に遅くなるのはなぜ?
- 通信速度が1Gbpsだと言われているのに、出たことがない
- Wi-Fiの寿命は何年まで?
それぞれ解説するのでご参考にしてください。
よく聞く「上り」「下り」って何?
Wi-Fiの話になると必ずといっていいほど出てくる「上り」と「下り」。これは以下のように解釈しましょう。
- 上り=こちらからファイルやデータをアップロードする際のスピード
- 下り=外部ファイルやデータをダウンロードする際のスピード
より重要なのは、もちろん下りの速度。インターネットに接続するというのはつまり「ダウンロードの繰り返し」です。Googleを開くのも、YouTubeの動画を再生するのも、すべて一時的に何らかのファイルやデータをダウンロードしています。
これが速いほど、インターネットを快適に使うことが可能です。逆に言うと下り速度が遅い場合はかなりストレスの溜まる通信になります。
Wi-Fiが急に遅くなるのはなぜ?
Wi-Fiが急に遅くなる原因として考えられるのは以下です。
- 速度制限がかかった
- 同時接続台数が増えた
- 自動ダウンロードが発生した
- 通信障害が発生した
- Webサイトにアクセスが一気に集まった
まず契約によってはデータ通信量をオーバーすると速度制限がかかります。これを避けるためには、できるだけ制限がかからないように計算して使わなければいけません。
また、何らかの家電やデバイスがインターネットに接続されて、急に遅くなることもあります。
そのほか自動ダウンロードや通信障害が原因の場合も。これは放っておけば終わる、あるいは復旧されるものです。
Webサイトにアクセスが集まっているなら、Wi-FiやWi-Fiルーターの問題ではありません。サーバー側が復旧するか、アクセスが落ち着くまで待ちましょう。
通信速度が1Gbpsだと言われているのに、出たことがない
「契約時には通信速度が1GBだと言われたが、そんな速度は出ない」と思っている人もいるでしょう。結論から言うと、これは仕様です。
通常「1Gbpsの速度が出る」というのなら、下り通信速度が1Gbpsであることを意味します。たしかに理論上、この速度は出るように設計されています。
しかし1Gbpsというのはいわゆる「ベストエフォート」。現実的には揃わないすべての条件が揃ったとき、速度が1Gbpsに到達するという意味です。
ややアンフェアな表現にも見えますが、現在の通信会社はベストエフォートを最大速度として記載するのが一般的。実際にその速度が出ることはないと考えましょう。
ただし1Gbpsがベストエフォートなら、常に数十〜数百Mbpsは安定して測定できるはず。つまりベストエフォートが高ければ高いほど、通信速度は速く、そして安定する傾向にあります。
Wi-Fiルーターの寿命は?
Wi-Fiルーターは一般的に4〜5年と言われています。あくまでも目安で、これより早く使えなくなることもあれば、より長持ちするケースもあるため注意してください。
そしてWi-Fiルーターが寿命を迎えるというのはつまり故障が起きていることを示します。この状態では通信速度にも大きな影響が出るでしょう。
仮にiWi-Fiルーターが寿命でなくても、4〜5年も前の水準なら、そもそもスペックが不足しているかもしれません。この場合は現在の技術水準にあったWi-Fiルーターを選ぶなどの工夫が必要となるでしょう。
まとめ
本記事では自宅のWi-Fiが遅い場合の対処法や原因を解説しました。もう一度対処法をおさらいしましょう。1から順に試せば、余計な手間やコストをかけずに済みます。
- Wi-Fiルーターの置き場所をできるだけ理想的な場所に変える
- Wi-Fiルーターを再起動する
- チャンネルを変更する
- ソフトウェアをアップデートする
- 「IPv6」で接続
- 同時接続している端末をOFFにする
- 新しいWi-Fiルーターに取り替える
- 中継機を使って電波を導く
- プロバイダーを乗り換える
よほど通信環境が悪くない限り、「4.ソフトウェアをアップデートする」あたりで速度は回復するはず。ぜひ上記の手順を実施し、よりスピーディーなインターネット接続を実現しましょう。