- Wi-Fiルーターを買い換え、どうやって選べばよいのだろう?
- どのタイミングで買い換えるべきか?
- そもそも本当に買い替えが必要なのか?自力で修理できるのでは?
上記のように考えている人は多いのではないでしょうか?
インターネットの無線通信を支えるWi-Fiルーター。快適かつスピーディーにネットを楽しむには、Wi-Fiルーターが高性能であることが大切です。
買い換える場合、いくつかの選び方を知っておけば自身にフィットしたものを見つけられます。ただし何も調べないままだと、ロースペックのルーターを掴まされるかもしれません。
さらによく点検すれば今使っているWi-Fiルーターは故障しておらず、買い換える必要がないケースも。そこで本記事では以下を解説します。
- Wi-Fiルーターを買い換える前に確認しておきたいこと
- 買い替えで失敗しないための注意点と選び方
- Wi-Fiルーターを買い換えるタイミング
本記事を読めばWi-Fiルーターを買い換えるべきか、買うならどれを何のタイミングなのか判断できるようになります。ぜひご参考にしてください。
目次
本当に故障?Wi-Fiルーターを買い替える前に確認しておきたいポイント
もしかすると、Wi-Fiルーターを買い換える必要がないかもしれません。
おそらく今の段階で、「電波の調子が悪いし、通信速度も遅い」「電源が入らない」という状態にあるでしょう。
もちろん買い替えが必要なレベルでの重大な故障があることも考えられます。しかしWi-Fiルーターは一時的な不具合が多いもので、実は買い換えるほどでもないケースが多々あります。
実際に買い替え先を考える前に、以下の6点をチェックしましょう。
- 一般的の寿命の5年に到達しているか確認
- 再起動やソフトウェアアップデートを試す
- Wi-Fiルーターの位置を変えて電波の流れを調整する
- 通信を妨害する家具などを動かす
- チャンネルや接続方式を変えてみる
- 接続台数を減らす
それぞれ詳しく解説するのでご参考にしてください。
一般的な寿命の5年に到達しているかどうか確認する
Wi-Fiルーターの一般的な寿命は5年だと言われています。まずは購入履歴などを確認し、これを超過しているか確認しましょう。
5年近く経っているなら寿命を迎え、買い換える時期にあると考えられます。一方で2、3年しか経っていないなどのケースでは、買い替えなくてもよいのかもしれません。
その場合は以下に示すような方法で不具合が解消されるか確認しましょう。
再起動やソフトウェアアップデートを試す
本当にWi-Fiルーターを買い換える必要があるかどうか確かめるには、まず再起動やソフトウェアアップデートを試してみましょう。
パソコンやスマートフォンがそうであるように、ルーター類もリセット的な操作でパフォーマンスを取り戻すことが多々あります。不具合を感じたら必ず試してみましょう。
なお再起動やソフトウェアアップデートのやり方は、取扱説明書及びプロバイダ公式サイトに記載されています。
Wi-Fiルーターの位置を変えて電波の流れを調整する
「電波の調子が悪い」と思ったら、Wi-Fiルーターの位置を変えてみましょう。よく言われるやり方ですが、たったこれだけで通信状況が劇的に改善する可能性があります。
Wi-Fiルーターは、理想だけでいえば以下のような置き方がベストです。
- 部屋の真ん中
- 窓から遠い
- 床から1m〜2mほど離れている
- Wi-Fiルーターと受信側の間に壁や紹介物がない
こういったポジションが取れれば、通信状況が安定するかもしれません。すべての項目をクリアするのは難しいですが、少しでも理想的なポジションが取れるように工夫しましょう。
通信を妨害する家具などを動かす
Wi-Fiルーターの位置だけではなく、通信を妨害する家具の位置を動かしてみましょう。特に以下のものは、電波の送受信を阻害するので、できるだけルーターやパソコンからは離したいところ。
- 鏡・金属(電波が反射してどこかへ飛んでしまう)
- 水槽(水によって吸収されてしまう)
- 電子レンジ(使用するチャンネルが同一なので通信の邪魔になる)
- 大きな家具(電波を遠回りさせる)
これらの障害物とWi-Fiルーターやパソコンからできるだけ離すようにしてみましょう。
特に水槽や電子レンジが邪魔になるのを知らない人は多く、極端なケースではWi-Fiルーターと隣接させている場合も。
チャンネルや接続方式を変えてみる
また、チャンネルや接続方式を変えるのもよいでしょう。
Wi-Fiルーターは、初期設定では「2.4Ghz」というチャンネルを利用するように設定されています。しかしほとんどの場合、「5.0Ghz」も用意されていますが、あまり使われることはありません。
つまり普段使っていない、もしくは他のデバイスが干渉していない5.0Ghzに接続すれば、安定した回線状態を確保し、不具合や速度の低下を避けられる可能性があります。
接続方式も同時に変更しましょう。Wi-Fiルーターは通常、「IPv4」という方式を使っていますが、多くの場合「IPv6」にも対応しています。
そしてIpv6のほうが通信速度が速いと考えて問題ありません。なぜ初期設定でIPv4が指定されているか不思議ですが、ともかく通信状態を改善するなら方式を切り替えてみましょう。
チャンネルや接続方式を変える方法は、取扱説明書及び公式サイトを確認すれば記載があるはずです。
接続台数を減らす
接続台数を減らすのも効果的です。
近年はスマートフォンやIoT家電の普及で、Wi-Fiルーターに複数接続している状態が当たり前になりました。
しかしWi-Fiルーターは、接続台数が増えれば増えるほど、通信速度が落ちる性質を持っています。つまりデバイス一台あたりに割り当てられる回線が限定され、通信が遅くなるわけです。
必要のないデバイスは接続を切ってみましょう。これだけで通信速度が一気に回復することもあります。
Wi-Fiルーターの買い替えで失敗しないための注意点と選び方
ここまでのトラブルシューティングを実施しても不具合が改善しないなら、Wi-Fiルーターの買い替えが必要です。
ただしルーター類は良し悪しが判断しづらく、担当者の営業トークに踊らされて粗悪なものを掴まされがち。自身が納得できるものを購入できるよう、以下の注意点と選び方を知っておきましょう。
- 平均的な通信速度がどの程度か確認する
- できるだけ簡単に使えるものを選ぶ
- IPv6とWi-Fi6に対応しているか確認する
- 2階建なら「メッシュWi-Fi」を優先する
- 「トライバンド」も検討する
- セキュリティ面を考えれば最新モデルを優先
- 無線引越し機能があればさらに便利
上記6点を知っておけば、少なくともWi-Fiルーター選びで失敗することはありません。それぞれ詳しく解説するのでご参考にしてください。
平均的な通信速度がどの程度か確認する
最初にWi-Fiルーターの平均的な通信速度を確認しましょう。これは、「みんなのネット回線速度」を利用すればすぐにわかります。

調べたいプロバイダ名を打ち込めば、実際の利用者が報告した通信速度を確認可能です。この段階で著しく速度が低いプロバイダとの契約は避けるのがよいでしょう。
なお最高通信速度は無視してかまいません。ほとんどのプロバイダが1GBに設定しており、大差ないからです。
また最高通信速度は理論上の数値であり、実際に計測されることはほぼありません。インターネットを使ううえで大切なのは、「ある一瞬の最高速度がいくらか」ではなく、「平均してどれくらいの速度が出ているか」、つまり安定感が重要です。
最高通信速度に踊らされず、平均的な通信速度がどの程度か確認しましょう。
できるだけ簡単に使えるものを選ぶ
Wi-Fiルーターは、できるだけ簡単に使えるものを選びましょう。あまりにも初期設定や接続方法がややこしいと、故障させたり、開通のためだけに専門業者を呼んだりしなければいけなくなるかもしれません。
担当者に対して「どうすれば接続できるのか」を確認し、自身でもできそうか確認してみましょう。とはいえ最近のWi-Fiルーターは「コードを指してスイッチを入れるだけ」程度の操作で使えるものが多いので、さほど心配する必要はありません。
IPv6とWi-Fi6に対応しているか確認する
Wi-Fiルーターを購入するなら、IPv6とWi-Fi6に対応しているかどうか確認しましょう。
IPv6とは、インターネットに対する接続方式です。これは一般的に使われているIPv4よりも通信速度が速いため、ぜひ確保したいところ。
Wi-Fi6とは、簡単に言えば現在もっとも高速で通信できる規格です。 G回線は時代の流れに合わせて3G→4G→5Gと進化しています。Wi-Fiも同じく4→5と進化して、2022年12月現在Wi-Fi6が最新版で、現状で考えうる限り最高の通信速度が期待できます。
2階建てなら「メッシュWi-Fi」を優先する
自宅が2階建てなら「メッシュWi-Fi」を優先しましょう。
メッシュルーターとはWi-Fiルーター本体に加えて、いくつかの中継ポイントを設け、自宅内のどこにでも電波が行き渡るようにするスタイルです。
かつては軍用基地などで使われていましたが、その性能の高さから一般家庭向けにも使われるようになりました。
単純に通信状態が安定しやすく、またWi-Fiルーター本体がない階層でも十分な環境を確保できます。よって2階建ならメッシュルーターがおすすめです。
「トライバンド」も検討に入れる
新しいWi-Fiルーターを購入するなら基本的に「トライバンド」を選びましょう。これは「チャンネルが3つある状態」を意味します。
一般的なWi-Fiルーターは、2.4GHz、5.0GHz、ふたつのチャンネルを備えるデュアルハンド。これに5.0GHzがさらにひとつ追加されたのが「トライ(アングル)ハンド」です。
3つのチャンネルがあれば、各種デバイスの接続先を振り分けてそれぞれの通信状態を安定させられます。
同時接続の台数やデータ通信量が多いと予想されるなら、トライバンドも検討しましょう。
セキュリティ面を考えれば最新モデルを優先
セキュリティ面を考えれば最新モデルを優先しましょう。Wi-Fiルーターの安全性の企画には以下4ランクがあります。
- WPA3
- WPA2
- WPA
- WEP
うち最新、つまり最も安全性が高いのがWPA3です。基本的にはこの規格であることを優先しましょう。
これ以前のタイプだから突然危険になるわけではありません。ただし最近はWi-Fiの通信記録から機密情報が漏れ出したなどの問題が聞かれるようになりました。用心しておいて損はありません。
なお本記事を読んだ際にはWPA4もしくはそれに準ずる新しい規格が登場している可能性もあるため、最新情報を確認するようにしてください。
無線引越し機能があればさらに便利
無線引越し機能があればさらに便利です。これがあれば簡単にWi-Fiルーターを切り替えられます。
無線引越機能の場合、以下の文字列や設定をそのまま流用できます。
- SSID
- 暗号キー
- 接続するデバイスとそのチャンネルetc.
やることといえば、旧Wi-Fiルーターと新しいものを取り替えるだけ。必須ではありませんが、無線引越機能があればかなり便利です。
Wi-Fiルーターは買い替えるタイミングにも注意
Wi-Fiルーターを買い替えるなら、タイミングが大事です。もちろん完全に故障して使えないなら急遽買い替えの必要はあるでしょう。
しかしそうでもないなら、買い替えるタイミングとしては以下がおすすめです。
- 寿命の目安である5年を超えた
- セキュリティの寿命を超えた
- スマホ・パソコンを買い替えた
- 通信規格が刷新された
- 接続台数が増えた
これらのタイミングなら損をしないうえ、利便性も高まります。ある程度意識しておくとよいでしょう。
寿命の目安である5年を超えた
Wi-Fiルーターの寿命は、一般的に5年だと言われています。この場合は通信状況や速度に影響が出ているでしょう。間違いなく買い替えるタイミングです。
そのまま使っているとある日完全に機能が停止するかもしれません。
また5年も経過していればそのWi-Fiルーターは技術的にはかなり遅れているでしょう。問題なく使えているように見えても、使い勝手で損をしている可能性が高いので、買い替えるのがおすすめです。
セキュリティの寿命を超えた
実はWi-Fiルーターのセキュリティにも寿命があります。それはおおむね3〜5年だと考えましょう。
Wi-Fiルーターに通される情報は暗号化によって第三者から閲覧されなくなっています。しかしこの暗号化機能は、古ければ古いほど脆弱です。
つまり何年も前の暗号化なら、ハッカーが解き明かしてしまう可能性があります。情報管理に不安があるなら、セキュリティの寿命に合わせて買い替えるのもひとつです。
スマホ・パソコンを買い替えた
スマホ・パソコンを買い替えたら、Wi-Fiルーターも一緒に買い替えるのがおすすめ。
新しいデバイスはより多くのデータを処理できますが、Wi-Fiルーターが古いままだと足手まといになって通信速度が落ちるかもしれません。
新しいものを買ったら、Wi-Fiルーターも新しくするのがベターです。
通信規格が刷新された
通信規格が刷新されたなら、Wi-Fiルーターの買い替えどきだと言えるでしょう。2022年12月現在の最新企画はWi-Fi6。ただしそれをよりも進化したWi-Fi7が現れたなら、そちらを優先しましょう。
接続台数が増えた
接続台数が増えたなら、Wi-Fiルーターを買い換えるタイミングです。
ルーターは通常、いくつかのデバイスを同時に接続できます。
しかし接続できるのと、通信速度を確保できるのはまた別の話です。多くのデバイスを繋いでいると、通信速度が落ちかもしれません。
多数の同時接続に耐えられない様子なら買い替えの機会です。
Wi-Fiルーターの買い替えに関するQ&A
- Wi-Fiルーターを買い替えたあとの接続や設定方法は?
- 故障しているならどうすればよい?
- Macの場合はどこに注意すればよい?
- 古いルーターはどうすればよい?
本記事ではWi-Fiルーターの買い替えやその選び方、タイミングなどを解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしておきましょう。それぞれ解説するのでご参考にしてください。
Wi-Fiルーターを買い替えたあとの接続・設定のやり方は?
Wi-Fiルーターを買い替えたあとの接続・設定方法は機種やプロバイダによって微妙に異なります。ただ、一般的には以下のような手順となるでしょう。
- Wi-Fiルーターを任意の場所に設置する
- ONUとケーブル接続する
- Wi-Fiルーターを設定モードに切り替える
- デバイスとWi-Fiルーターを接続する
ほとんどの場合、この手順で接続と設定がなされます。基本的に難しいものではないため安心してください。
もし故障しているならどうすればよい?
Wi-Fiルーターの故障に気づいたら、いったんプロバイダに連絡しましょう。契約内容によっては修理してくれたり、あるいは無償で新しいWi-Fiルーターが提供されたりするかもしれません。
Macの場合Wi-Fiルーターの買い替えはどこに注意すればよい?
MacだからといってWi-Fiルーターの買い替えに関して特別な注意点が増えるわけではありません。MacかWindowsか、あるいはiPhoneかAndroidかといった点ではなく、Wi-Fiルーターの性能に注目しましょう。
古いルーターはどうすればよい?
古いルーターはほぼ利用価値がないので不燃ゴミに出しましょう。ただし自治体によっては、「小型家電用回収箱」など特殊な方法で収集しています。
お住まいの自治体がどのように対応しているか確認して適切な方法で処分しましょう。
まとめ
本記事ではWi-Fiルーターの買い替えでの注意点を解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
- Wi-Fiルーターを買い替える前に、その必要があるか今一度確認
- 寿命5年以下なら一時的な不具合の可能性あり
- 再起動やアップデートなどを試してみる
- Wi-Fiルーターを買い替えるなら、まず平均的な通信速度に注意
- IPv6やWi-Fi6などの対応状況も確認
- セキュリティが最新状態かどうかもチェック、特に法人なら死活問題
- Wi-Fiを買い替えるなら寿命5年を超えたタイミングがベスト
- セキュリティの寿命や、スマホ・パソコンの買い替えに合わせるのもよい
何を基準に買い替えたり、選んだりすればよいかわかりづらいWi-Fiルーター。そもそも故障しておらず、一時的な不具合が考えられるのでしっかりと点検しましょう。
本当に買い替える必要があるなら、営業トークにおどらされず、速度や機能性を確認するのが大切。また買い替えのタイミングもある程度計算すれば、より快適にインターネット通信を楽しめるでしょう。