売上に直接つながらない仕事を、何で評価するか

売上の数字から見えにくい仕事にも、事業を続ける役割があります。支援業務の目的と負担を整理し、必要性を説明する方法を考えます。

「間接部門」と調べる人は、売上表に名前が出ない仕事を、どう説明すればよいか迷っているのかもしれません。例えば、あるチームで依頼の受付、資料の版の管理、部署間の日程調整を担う仕事について、「売上を作っていないのに時間を使う理由は何か」と問われたとします。ここでは、販売そのものではなく、他の人が仕事を進めるための情報・手順・調整を支える役割を、便宜上「間接部門」と呼びます。評価を仕事量や忙しさだけに寄せると、支えた結果が見えにくくなります。

何を支える仕事なのか

支援業務を説明する最初の単位は、担当者がした行為ではなく、誰の次の動きを可能にしたかです。情報管理なら、保存した資料の数ではなく、利用者が必要な版を選べて、探している間に作業が止まらなかったかを見ます。調整なら、会議を設定した回数ではなく、参加者が決めるべき点を前もって把握し、終わりに次の担当が定まったかを見ます。受付、整理、連絡といった同じ名前の作業でも、次の人に渡る状態まで整っているかで役割は変わります。

例えば、新しい依頼で支援担当が内容を受け取り、関係者を探すだけで終わる場合を考えます。依頼者が必要な版、期限、判断を求める相手までたどれる状態を整える場合とは、同じ「受付」でも支えている範囲が違います。目的を「問い合わせを処理すること」に置けば、処理件数が中心の尺度になります。目的を「利用者が次の判断へ進めること」に置けば、問い合わせの後に残った迷いも確かめる必要があります。依頼者だけでなく、その依頼を受け取る次の人まで視野に入れると、支援の対象が具体化します。

このとき、利用者の感想や忙しそうに見える様子だけを価値の証拠にはしません。同じ確認が繰り返されるか、古い情報を選び直す場面があるか、完了後に誰が次を決めるのかが分かるかは観察できます。支援側の負担を語る前に、利用者の動きが一度で次へ渡ったかを見るほうが、役割を説明しやすくなります。

なくした場合の影響を考える

仕事があること自体を、価値の証拠にはできません。続いてきた手順には、今も必要な部分と、別の方法でも足りる部分が混ざることがあります。なくした場合の影響を見るときは、予防と利便性を分けます。予防は、誤った版を使う、判断が何度も戻る、連絡の相手が分からない、といった出来事が起きにくい状態を保つことです。利便性は、同じ目的へ届くまでの待ち時間や手順を減らすことです。どちらも意味を持ちえますが、一方をもう一方の言葉で大きく見せないほうがよいでしょう。

仮に日程調整の役割を置かなくても、関係者が自分で候補を集め、決定事項が同じ場所に残るなら、従来の調整のすべてが必要とは限りません。反対に、各人が別々に候補を尋ね、決めるべき点を確認し直し、参加しない人に結果が届かないなら、増えた往復が影響を示します。ここで大切なのは「なくせば困る」と先に結論を置くことではありません。代わりの流れで、どこに迷い、戻り、重複が生まれるかを、一件の依頼の始まりから終わりまで追います。

判断基準としては、依頼者が必要な入口に一度で着けたか、次の担当者が聞き返さずに着手できたか、保留の理由と返答を待つ相手が見えるかを確かめられます。支援が介在しないほうが速い工程もあれば、介在することで選び直しを防げる工程もあるでしょう。件数が多い、担当者が忙しいといった事実だけでは、どちらかは決まりません。変えた後に利用者が余分にした行為を具体的に捉えることで、残す部分と改める部分を同じ土俵で扱えます。

使う側と改善点を共有する

評価を支援側だけで決めると、「依頼が多いから必要だ」という説明に戻りがちです。使う側だけで決めると、「待たされたから要らない」という印象に傾きやすくなります。両者が見るべきなのは、支援を通った一件が、次の仕事を進めやすくしたかどうかです。依頼の窓口が分からない、同じ情報を二度入力した、完了したはずなのに判断待ちが残った、といった場面は、どちらか一方の能力の問題と決めず、流れの改善点として扱えます。

例えば、情報を取り寄せる一件を選び、依頼者が最初に行った操作や確認から、受け取った人の対応、最後に使った人の動きまでを一緒にたどります。その場で、利用者が迷った選択、支援側に届かなかった前提、双方が二回行った確認を見つけます。改善案は大きな仕組みでなくて構いません。依頼時に選ぶ項目を一つ変える、保留の表示をそろえる、完了時に次の担当を示すなど、見つかった止まり方に対応するものを選べます。

ただし、利用者が支援を通らずに済んだ回数だけを目標にしないことも重要です。権限や扱う情報の範囲によって、支援側の確認が必要な工程があります。また、急いでいる人が自己流で進められる形だけを整えると、後で確認する人の負担が増えるかもしれません。目指すのは支援を目立たなくすることではなく、必要な支援が、利用者が次の一手を選べる地点に置かれている状態です。そこで生じた迷いを責めずに扱えれば、部門同士の必要性を争うより、仕事の受け渡しを良くする会話になります。

この見方が生きるのは、支援の受け手が作業の途中で迷い、支援側もその迷いを観察できる仕事です。反対に、権限、扱う情報の範囲、即時性のために利用者が直接動けない工程では、自己完結の回数を価値の尺度にしません。

次の定例では、依頼一覧から一件を選び、依頼者が最初に触れた時点から「次の人が何をせずに済んだか」をたどってみてください。確認電話が減ったか、探し直しが要らなかったか、判断待ちを早く渡せたかを一つだけ比べます。支援の価値を忙しさで守るのではなく、利用者の仕事に残った余白で示すための確認になります。

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